理事長所信

The way in the future

 草で被われた暗い山中であっても、誰かが光を照らし、勇気を出して、はじ めの一歩を踏み出し前へ進むと、必ずその後を誰かが歩き、また、その次を誰 かが歩く。そうやって、踏み固められた道ができ、その道は進化していくのです。「山の都」がこれまで歩んできた道のりには、65年の歴史を持つ(社)甲府青年会議所を築いてきた先人たちと、ふるさとを愛する人々とが力を合わせ ながら、一歩一歩、確実に今日まで築かれた「未来への道」に、たくさんの「ふ るさとを愛する心」をひろめてきました。私たち青年会議所は、「明るい豊か な社会」の実現という壮大な目的に向かい、長い道のりを歩んでいます。これ までの歴史、これからの未来、一人ひとりの歩んでいる道は時代や速度が違っていても、目指すゴールはひとつです。遠く、この道の彼方には、私たちの愛 する家族、仲間、ここ「山の都」に住む人々が、笑顔に溢れ、美しい心と優しさで満たされていることを信じて一歩、また一歩と前へ進むのです。

(「山の都」=甲府JCの活動エリアである甲府市、甲斐市、中央市、昭和 町の3市1町)

近年、我々を取り巻く環境は劇的に変化しつつあります。エネルギー問題、 領土領海問題、近隣諸国との様々な問題、避けては通れない高齢社会問題、教育問題、更には甚大な被害を及ぼす天災等、青年会議所創世期には存在しなか った問題が数多く発生しております。また、2015 年以降、地方創生に対する国 の戦略が明らかとなり、都道府県、市町村に対し努力義務ではありますが、総 合戦略の策定が促される中で、各地域が様々な機会やそれぞれの特性を活かし た独自のまちづくりに向けた取り組みが必要となりました。日本の国は、我々の住むこの地域は、今、その形を変えようとしています。日本の輪郭は日本人 によって創られています。地域を創るのは人であり、地域を動かすのも、混沌 とした時代を切り拓いていくのも、いつの時代も、全ては人の力によるものな のです。(社)甲府青年会議所が誕生してから 65 年。これまで、「明るい豊か な社会」の実現に向けて目的は一切変わっていません。変わったのは人であります。多くの人が自分というものをしっかり持ち、明日を見据えその考えを言 葉にすることがこのまちを良くするための第一歩ではないかと考えます。人々の他人事感は否めません。物質的豊かな時代から豊かな心が育まれる時代へと 進化するのです。

(社)甲府青年会議所2016年度は、「山の都」の全ての人が夢ある未来を確信できるために、「ふるさとを愛する心」の醸成を掲げ、物質的な豊かさという観点ではなく、人の心の豊かさに観点をおいて、「ふるさとを愛する心」を 集め、「ふるさとを愛する人」で繋ぐ事業展開を行い、「山の都」のファンを増やします。そのためには、(社)甲府青年会議所が抱える会員の減少傾向に歯止 めを掛け、「ふるさとを愛する心」を持つ、JAYCEEを増やすことが必要で す。まずは、会員相互の親睦を深めながら、「修練」「奉仕」「友情」の三信条か ら生まれる「絆」という名の全会員の力を結集して(社)甲府青年会議所の思い をひとつに集め、様々な事業や例会を通じて「山の都」に住む家族や市民、「山の都」で活動する団体や行政に「ふるさとを愛する心」をひろめていきます。 また、青年会議所の会員は20歳から40歳までの子育て世代であり、経済人としても牽引力があり、地域においてもリーダーシップを発揮できる世代であ ります。青年会議所活動を重ねることで「山の都」の現状に直接大きく関わっ ているからこそ見える地域社会の魅力や課題を的確に捉えることが可能です。 (JC=組織 JAYCEE=会員 )

「進化」 生物の遺伝子形質が世代を経る中で変化すること。 遺伝子の形質は、危機的状況から種を守るために「変化」を繰返することで、 より強く、創造を遥かに凌ぐ「進化」を遂げます。

「山の都」の危機的状況とは、忘れつつある豊かな自然や歴史、文化。

「甲府JC」の危機的状況とは、会員の忘れつつある志や覚悟、会員減少によ る推進力の低下。

「真価」 本当の値うち。物や人のもつ真の価値や能力。 本物をさらにホンモノに仕立てあげるために「本質」を見極めることで、 より輝く、価値のある魅力あふれる「真価」へと昇華します。

「山の都」の価値とは、豊かな自然やそこに住む人、ふるさとを愛する心。

「甲府JC」の価値とは、英知と勇気と情熱をもった組織であり、会員。

「深化」 物事の程度が深まること。また、深めること。 常に探究することで得られる「経験」を積み重ねることで、 より深く、説得力のある可能性に満ちた「成果」をうみます。

「山の都」が探究していくことは、ふるさとの魅力を思いやる心。

「甲府JC」が探究するべきことは、本気でおこなう理想のまちづくりと信念。

3つの「進化・真価・深化」を遂げることによって、より広く、より太く、よ り真っすぐな「道」となるのです。

会員開発推進室

会員発掘・育成委員会

私たちが進むべく「未来への道」を着実に歩んでいくためには、今よりも多くの同志を増やすことが必要です。「ふるさとを愛する心」を持つ会員が、100人より150人、150人より200人と多ければ多いほど、「ふるさとを愛 する心」は、強く大きな力となり、「ふるさとを愛する心」を深く広げられるこ とは言うまでもありません。例会や事業規模の維持、財政面から見ても一人で も多くの仲間を増やすことで、私たちの掲げる理想により近づくことができるのです。 全国の青年会議所は、連日連夜、熱い議論を繰り返しながら、情熱溢れる思いによって例会や事業を組み立て、独自の手法や経験を通じて会員(JAYC EE)を育ててきました。この青年会議所の活動は、唯一無二の存在として社 会変革を起こす人財を育てる術をもっています。新しい力となる会員の入会、 そして40歳までの期限の中で力一杯活動して卒業することにより、この組織は 新陳代謝を繰り返してきました。この組織を根絶やさないためには、地域に眠 る逸材を発掘し、自身のJC活動に誇りと責任をもって取り組むことで得た、 実体験や仲間の素晴らしさを伝えることで志の高い新入会員の入会を導くこと が必要です。 新入会員を一人前のJAYCEEへと育成するためには、より多くの事業や 例会に触れ、多くの仲間、地域住民、JCの先輩などと交流する「機会」をつ くることが必要です。人財は発掘するだけではなく、肌で青年会議所活動に触 れ、磨く「機会」を増加させなければ新入会員というダイヤの原石は輝くこと はありません。家庭、会社での責任や地域社会での立場を重要視しながら人知 れず学びや努力を重ね青年会議所活動を行うことで幾多の困難も乗り越えられ る精神力が育まれます。強い精神を持つ、強い会員が増えれば増えるほど、強い組織を形成します。 (社)甲府青年会議所2016年度は次代を担う人財育成に繋がるという意識を 全会員が共有し、未来の人財確保、育成を行います。

郷土愛推進室

ふるさとの宝共育委員会

ここ数年で「山の都」は着実に元気を増している事を実感しています。B級 グルメ全国制覇からはじまり、朝の連続テレビドラマの舞台となって甲州弁が 広まり、夢の乗り物だったリニアモーターカーの開通が近づき、甲府駅北口周辺では明るく賑やかなイベントも増え、若い世代が中心となったお店で夜の中 心街にも人が戻ってきています。また、世界文化遺産登録の富士山が見えることで住んでみたい田舎NO.1にもなり、全国から訪れる観光客も増えてきています。果たして、これらの元気の源は新しく作ったものでしょうか。 以前より、この「山の都」にある素材に手を加えたり、スポットライトを当てたりすることで注目を集めています。 この「山の都」を活動エリアとして65年に渡り活動している(社)甲府青年会議所は、まだまだ眠っているこのまちの魅力をたくさん知っているはずです。 歴史、文化、商業、食、そして、人。あらゆる可能性は青年世代の私たちだからこそ、身近に感じ、広く深く知っています。 (社)甲府青年会議所もこれと同じことが言えます。現在まで継続的に開催して いる親子ふれあい写生大会、信玄公祭りの前夜祭、郷育フォーラムなど、地域 社会とつながる素晴らしい事業があります。 全会員が一丸となって考え、取り組み、実践することで、これらの事業が持つ魅力が増幅する可能性を秘めています。 「山の都」の目指す「未来への道」は、この地域をより良くしたい、活性化さ せたいといった目的がつなげる同じ価値観です。この目的や価値観を共にする 各諸団体なども多く活動する昨今、今まで以上に手と手を取り合い、連携を深 めることで無限の可能性を広めることが出来ると考えます。 人とひとのつながりが人間力を高め、地域力を高め、ひいてはこの日本を明る くする力にも昇華すると考えます。より良い地域社会の共育が現実的となるこ とは「山の都」のブランドがプライドとなって必ずや地域の活力を上げ、「山の都」のファンを増やします。

未来郷育推進室

青少年の心育成委員会/輝く大人共創委員会

未来を担う子どもたちの胸には、向上心と好奇心と探求心がつまっています。 しかし、現代の子どもたちは情報あふれる環境の中で育ち、流行には敏感です が自分で問題の解決策を考え、自分で道を切り開いていく原動力となる実体験 や生活体験が乏しいと言われています。都会と違い、私たちの住む「山の都」 は、少し歩けば山や川や田畑が多く、様々な自然を身近に体感することが出来 ます。おいしい空気や水、澄み切った青空や星が輝く夜空などの豊かな自然は 人間の豊な心を育みます。 (社)甲府青年会議所の歴史の中では、この自然豊かな「山の都」のフィールドで多くの青少年事業を生み出し、実践してきました。 この自然豊かな「山の都」のフィールドで、今まで感じたことの無いような達 成感や充実感、驚きや喜びを「山の都」に住む一人でも多くの子どもたちが体 験し、豊かな心を育んだ子どもたちが多ければ多いほど「明るい豊かな社会」 の実現に近づくのだと思います。 そのために今を生きる私たち大人が幼い頃に思い描いた「夢」や「希望」を、 子どもたちにも見せられるよう、自らも学び、行動し、大人の背中を見せるの です。その背中を見て子どもたちは育ち、豊かな心を育みます。また、成長す る子どもたちの輝く瞳から私たち大人も多くのことを学ぶのです。 心の教育は家庭、学校、地域社会の中でどこでも受けられるはずですが、その ような心の教育を教える大人がいつしか少なくなってきています。心の教育と は学力と違い、人がひとを思いやる心、互いを助け合う心など、美しい心をも つ大人が増えることによって「夢」や「希望」に満ち溢れた子どもたちの思い 描く「ふるさとを愛する心」が開花するはずです。

LOMパワーアップ推進室

LOMパワーアップ委員会

共に描き、共に考え、共に汗を流すことで生まれる仲間との絆は、必ず人の 心に響き想いを集めることができます。 JAYCEEとしての自覚と責任を強化し、ひとりでも多くの会員の果敢な行 動が、私たちの活動の源泉となり、組織のみならず、地域社会へも大きな力を与える可能性を広げます。 そこで大切なのは会員であることの自覚と責任を向上させ、青年会議所の魅力 のひとつである「楽しさ」を知ることが必要です。 青年らしく、豊かな発想力や行動力を発揮し、青年会議所でなければ成し得ないことを会員一人ひとりに多くの機会を提供することで、心と心を繋ぎ「結束 力」や「一体感」を強化します。 個の活性化からLOMの活性化、さらには地域社会の活性化を目指します。

LOMパワーアップ推進室

メディアコミュニケーション委員会

現代のソーシャルネットワークが普及する情報化社会の中で様々な情報ツールを駆使し、組織の情報開示を正確に行い、活動の案内や報告をタイムリーに受発信することが、組織に対するイメージや信頼が増し、地域からの理解や協 力体制へと繋がります。効果的な広報活動は青年会議所運動への賛同者や参加 者を増やし、事業と組織に活力を与えてくれます。 これまでも青年会議所活動は会員だけではなく、行政、諸団体、地域住民と情 報交流を人伝いで深めることで強固な相互関係を築き、協働できるネットワー クが引き継がれています。協働することを重ねることで、「助け合いの精神」が 生まれ、そこには人とひととの「心で繋げるネットワーク」が構築されます。

財務室/総務室

総務・例会委員会

例会や事業は青年会議所会員の基本です。 また、諸会議、委員会運営は青年会議所活動の基礎です。 (社)甲府青年会議所の会員がより良い事業展開に向け活発な議論ができるように、効率的かつ効果的な設営及び運営をしていかなければなりません。また 運営を通じて(社)甲府青年会議所の基盤をしっかりと支え会員一人ひとりがさ らに成長できる環境を作るためにも意思疎通に注力し信頼関係を構築します。 また、近年、会員減少の影響から例会、事業に対しての予算額の配分が減少し てきています。シニア会員、現役会員からの年会費を基に活動をしている(社) 甲府青年会議所の予算を細微にわたり管理し、総務事業、財務管理の側面から 目的に沿った事業であるかを精査し、確実かつ正確に執り行います。

総合計画検証会議

企業であっても、組織であっても、多くの人々が同じ大きな目的に向かうためには、一年一年の目標地点を定め、確実に前に進むことが必要です。 「山の都」の抱える社会情勢や地域の魅力の見定め、また、(社)甲府青年会議所が、今、抱えている会員減少や認知度低下の問題、地域に必要とされる事業 展開や継続事業を検証し、その魅力を増幅する方法などを全会員で議論し、進 むべく方向を見定め、単年度制の弱点を「継続」できるものに突出させることで、組織内または地域社会に根付く JC 運動を定着化するべく、新たな「総合計 画」の策定を行います。60周年であった5年前に創始の志を振り返り、私たちの歩む道を明るく照らす「ミチシルベ」として次世代の青年会議所の会員が、「山の都」の住民と一歩一歩前に歩み進めるよう、「新しい総合計画」で、道な き道を勇気と情熱と誇りをもって誰よりも先に土壌を踏み固め、次の時代に繋 げる具現化した「道」を創り上げます。

諸事対策会議

(社)甲府青年会議所の内部的な諸事だけでなく、突発的な事案に対して対処対応できる機関とします。

出向渉外対策会議

出向と渉外事業は多くの同志と繋がりが作れるチャンスです。 JCI、公益社団法人日本青年会議所、公益社団法人日本青年会議所関東地区協議会、公益社団法人日本青年会議所関東地区山梨ブロック協議会で行われる多くの事業を経験することがLOMの未来に繋がります。また、そんな未来のためにも事業参加へ積極的な働きかけを行い、会員同士の絆を深め合う機会とします。また、出向者には、活動しやすい環境づくりと支援を行うとともに(社)甲府青年会議所の将来を見据えた運動展開の基盤となるべき人材への成長を期待し中長期的な出向政策を行います。

郷育フォーラム運営会議

「思いやりあふれる環境創造都市」の実現を目指し、「教育環境都市の創造」を具現化した「郷育フォーラム」も10回目という節目の年になります。「郷育」 のコンセプトで繋いだ多くの参加団体と共に、これまでの10年、これからの 10年の展望を再確認と再検証を行います。 「ふるさと山の都を愛する心」が「郷育」の持つ無限の可能性を広め、さらに 地域住民と行政の架け橋となることが必要です。また、3市1町で実践されている「郷育の日」の現状も再確認が必要です。「郷育フォーラム」の更なる浸透が、青年会議所運動を浸透させるチャンスであるとも考えます。 会員一人ひとりが心から行動を起こすことで「思いやりあふれる環境創造都市」 を目指します。この「郷育フォーラム」は、日本JCアワードJAPAN2008の最優秀事 業賞を授賞した事業として、誇りをもって継続する必要があります。

 最後に私にとってJCは不可能を可能にしてくれるところです。「想い」を「言葉」にし、自ら「行動」しなければ何も得るものはありません。不可能を可能にする唯一の方法は、挑戦しかありません。「JCがある時代」から「JCもある時代」ではなく、今も昔もJCしかないのです。今ここで、歩みを止めることなく未来のために、私たち一人ひとりがしっかりと自分自身を見つめそれぞれの「道」を探すのです。

それぞれの「道」が必ず(社)甲府青年会議所の「未来への道」になるのです。

自ら挑戦し、「未来への道」を共に歩もう。

一般社団法人 甲府青年会議所
第65代理事長 窪寺 晃